ITパスポート過去問 令和2年度(2020年)問3
技術経営における新事業創出のプロセスを,研究,開発,事業化,産業化の四つに分類したとき,事業化から産業化を達成し,企業の業績に貢献するためには,新市場の立上げや競合製品の登場などの障壁がある。この障壁を意味する用語として,最も適切なものはどれか。
選択肢
- ア:囚人のジレンマ
- イ:ダーウィンの海
- ウ:ファイアウォール
- エ:ファイブフォース
- ア
- イ
- ウ
- エ
正解と解き方・学習ポイント(AI解説)
技術経営における新事業創出では、事業化した後に市場を立ち上げて顧客を獲得し、競合製品の参入にも対応しながら普及・拡大(産業化)へ進む必要があります。この段階では多くの事業が淘汰されやすく、産業化まで到達しにくい障壁があるとされます。この障壁を表す用語が「ダーウィンの海」です。
Point
この問題は、新事業創出プロセスのうち事業化から産業化へ移る段階で起きやすい困難を表す用語を確認することがねらいです。市場立上げや競合参入によって事業が継続しにくくなる状況を、どの用語で表すかを理解します。
解くために必要な知識
この問題を解くには、技術経営(MOT)における新事業創出プロセスと、各段階で発生しやすい障壁の名称を理解している必要があります。
用語の整理
新事業創出プロセスの位置付け
研究、開発、事業化、産業化の流れのうち、本問が問うのは事業化から産業化へ進む場面です。
各用語の意味(試験での扱い)
| 用語名 | 意味 |
|---|---|
| ダーウィンの海 | 事業化した後に、新市場の立上げ、競合製品の登場、顧客獲得の難しさなどを乗り越えて産業化し、事業として定着させるまでの障壁を指します。 |
| 技術経営(MOT) | 技術を基盤として研究開発と事業を結び付け、競争力や成長につなげるための考え方です。 |
| 囚人のジレンマ | ゲーム理論の用語で、各人が自分の利益を優先すると全体として不利な結果になりやすい状況を指します。 |
| ファイアウォール | ネットワークの境界で通信を制御し、外部からの不正アクセスなどを防ぐ仕組みです。 |
| ファイブフォース | 業界の競争要因を、競合、供給者、買い手、代替品、新規参入の5つの力で分析する手法です。 |
選択肢ごとの解説
- ア:不正解
囚人のジレンマはゲーム理論の用語で、各自が合理的に行動した結果、全体として望ましくない結果になりやすい状況を指します。設問のような「事業化から産業化に進む際の市場立上げや競合参入の障壁」を表す用語ではありません。
- イ:正解
ダーウィンの海は、事業化した後に市場形成、顧客獲得、競合参入などの要因で事業が淘汰されやすく、産業化まで到達しにくい状況を指します。設問の障壁の説明に合致します。
- ウ:不正解
ファイアウォールは情報セキュリティの仕組みで、通信を許可・遮断して不正アクセスなどを防ぐものです。技術経営における事業化から産業化の障壁を指す用語ではありません。
- エ:不正解
ファイブフォースは業界構造を分析する枠組みで、競争環境の強さを評価するために用います。設問が問う「事業化から産業化に進む際の淘汰されやすさ」を指す固有の障壁用語としては適切ではありません。
まとめ
技術経営における新事業創出では、事業化した後に市場を立ち上げて顧客を獲得し、競合製品の参入にも対応しながら普及・拡大(産業化)へ進む必要があります。この段階では多くの事業が淘汰されやすく、産業化まで到達しにくい障壁があるとされます。この障壁を表す用語が「ダーウィンの海」です。
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囚人のジレンマはゲーム理論の用語で、各自が合理的に行動した結果、全体として望ましくない結果になりやすい状況を指します。設問のような「事業化から産業化に進む際の市場立上げや競合参入の障壁」を表す用語ではありません。
ダーウィンの海は、事業化した後に市場形成、顧客獲得、競合参入などの要因で事業が淘汰されやすく、産業化まで到達しにくい状況を指します。設問の障壁の説明に合致します。
ファイアウォールは情報セキュリティの仕組みで、通信を許可・遮断して不正アクセスなどを防ぐものです。技術経営における事業化から産業化の障壁を指す用語ではありません。
ファイブフォースは業界構造を分析する枠組みで、競争環境の強さを評価するために用います。設問が問う「事業化から産業化に進む際の淘汰されやすさ」を指す固有の障壁用語としては適切ではありません。