ITパスポート過去問 平成30年度(2018年)問55
ある食品メーカでは,食品業界で示された安全基準にのっとって業務を行っている。安全基準の改定があったので,社内の基準も対応して改定した。これは内部統制の四つの目的のうち,どれに該当するか。
選択肢
- ア:業務の有効性と効率性
- イ:財務報告の信頼性
- ウ:事業活動に関わる法令等の遵守
- エ:資産の保全
- ア
- イ
- ウ
- エ
正解と解き方・学習ポイント(AI解説)
食品業界で示された安全基準の改定に合わせて社内基準を改定するのは、業界基準などの外部ルールを守るために社内の規程や手順を整える行為です。このため、内部統制の四つの目的のうち「事業活動に関わる法令等の遵守」に該当します。
Point
内部統制の四つの目的(業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守、資産の保全)について、具体的な行為がどれに当たるかを、行為の目的から判断できるようになることをねらいとしています。
解くために必要な知識
この問題を解くには、内部統制の四つの目的がそれぞれ何を指すかを理解している必要があります。
用語の整理
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 内部統制 | 組織の業務が適正に行われるように、社内で整備する仕組みやルールのことです。 |
| 法令等の遵守(コンプライアンス) | 法律だけでなく、規則、業界基準などの外部のルールに従うことです。 |
他の選択肢に出てくる用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 業務の有効性と効率性 | 業務の目的を達成できていることと、無駄が少なく実行できていることです。 |
| 財務報告の信頼性 | 財務諸表などの報告内容が正確で、信頼できる状態にすることです。 |
| 資産の保全 | 現金、在庫、設備、情報などの資産を、不正や誤り、紛失などから守ることです。 |
判断ポイントの整理
内部統制の四つの目的は、行為の目的がどれに近いかで判断します。
| 目的 | 主に確認する観点 |
|---|---|
| 業務の有効性と効率性 | 成果の向上、作業の無駄の削減が目的かどうかです。 |
| 財務報告の信頼性 | 会計処理、決算、開示などの正確性が目的かどうかです。 |
| 事業活動に関わる法令等の遵守 | 法令、規則、業界基準などの外部ルールへの対応が目的かどうかです。 |
| 資産の保全 | 資産の不正利用、紛失、誤処分などの防止が目的かどうかです。 |
今回の「安全基準の改定に合わせて社内基準を改定」は、外部の基準への対応なので「法令等の遵守」に分類するのが基本です。
問題の解法手順
この問題では、「安全基準の改定があったので,社内の基準も対応して改定した」が、内部統制の四つの目的のどれに当たるかを整理します。
着目する情報
外部のルールに合わせている点
食品業界で示された安全基準は、社外で定められた基準です。これに合わせて社内基準を改定するのは、外部ルールに従うための対応と考えられます。
各選択肢の整理
| 選択肢 | 目的 | 判断の観点 | この設問との関係 |
|---|---|---|---|
| ア | 業務の有効性と効率性 | 作業手順の改善、ムダの削減、生産性向上 | 効率化が目的とは読み取りにくいです。 |
| イ | 財務報告の信頼性 | 会計処理、決算、開示の正確性確保 | 財務報告の話ではありません。 |
| ウ | 事業活動に関わる法令等の遵守 | 法令、規則、業界基準、契約などへの適合 | 業界の安全基準に合わせる対応なので該当します。 |
| エ | 資産の保全 | 現金、在庫、設備、情報などの紛失・盗難・不正利用防止 | 資産管理が目的とは読み取りにくいです。 |
以上より、正解は「ウ」です。
選択肢ごとの解説
- ア:不正解
「業務の有効性と効率性」は、業務の成果向上や無駄の削減などが中心です。本問は外部基準への適合がテーマなので、直接の対象ではありませんので誤りです。
- イ:不正解
「財務報告の信頼性」は、会計処理、決算、開示などの財務報告が正しいことを確保する目的です。問題文は安全基準と社内基準の改定であり、財務報告の話ではありませんので誤りです。
- ウ:正解
「事業活動に関わる法令等の遵守」は、法令だけでなく業界基準などの外部ルールも含めて守ることです。安全基準の改定に合わせて社内基準を改定する行為は、この目的に該当するため正解です。
- エ:不正解
「資産の保全」は、現金や在庫、設備、情報資産などの紛失・盗難・不正使用を防ぐ目的です。本問の社内基準改定は資産管理の話ではないため、該当しませんので誤りです。
まとめ
食品業界で示された安全基準の改定に合わせて社内基準を改定するのは、業界基準などの外部ルールを守るために社内の規程や手順を整える行為です。このため、内部統制の四つの目的のうち「事業活動に関わる法令等の遵守」に該当します。
マネジメント系 > サービスマネジメント > システム監査
「業務の有効性と効率性」は、業務の成果向上や無駄の削減などが中心です。本問は外部基準への適合がテーマなので、直接の対象ではありませんので誤りです。
「財務報告の信頼性」は、会計処理、決算、開示などの財務報告が正しいことを確保する目的です。問題文は安全基準と社内基準の改定であり、財務報告の話ではありませんので誤りです。
「事業活動に関わる法令等の遵守」は、法令だけでなく業界基準などの外部ルールも含めて守ることです。安全基準の改定に合わせて社内基準を改定する行為は、この目的に該当するため正解です。
「資産の保全」は、現金や在庫、設備、情報資産などの紛失・盗難・不正使用を防ぐ目的です。本問の社内基準改定は資産管理の話ではないため、該当しませんので誤りです。