ITパスポート過去問 令和2年度(2020年)問20
労働者派遣は,通常の派遣と,将来の雇用を想定した紹介予定派遣の二つに分けられる。前者の労働者派遣の契約に当たり,派遣先が派遣元に要求する派遣労働者の受入条件として,適切なものはどれか。
選択肢
- ア:候補者が備えるべきスキルの指定
- イ:候補者の年齢及び性別の指定
- ウ:候補者の派遣先による事前面接
- エ:候補者の履歴書の派遣先への事前提出
- ア
- イ
- ウ
- エ
正解と解き方・学習ポイント(AI解説)
通常の労働者派遣では、派遣先は業務に必要なスキルや資格などの職務要件を派遣元へ示すことは適切です。一方で、年齢や性別の指定、派遣先による事前面接、履歴書の事前提出は、派遣先が候補者を選ぶ行為につながりやすく、原則として不適切です。
Point
この問題は、通常の労働者派遣において、派遣先が派遣元へ提示できる受入条件と、派遣先が行ってはいけない派遣労働者の特定行為を区別できるかを確認しています。
解くために必要な知識
この問題を解くには、通常の労働者派遣における派遣元と派遣先の役割の違いと、派遣先が示せる要件の範囲を理解している必要があります。
用語の整理
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 労働者派遣 | 派遣元が雇用する労働者が、派遣先の指揮命令を受けて働く形態です。 |
| 派遣元 | 派遣労働者を雇用し、派遣先へ派遣する事業者です。 |
| 派遣先 | 派遣労働者を受け入れ、業務の指揮命令を行う事業者です。 |
| 受入条件 | 派遣先が派遣元に示す、業務上必要な人材要件です。 |
他の選択肢に出てくる用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 紹介予定派遣 | 派遣期間の後に、派遣先が直接雇用することを前提とした派遣形態です。 |
| 事前面接 | 就業前に派遣先が候補者と面談し、就業可否を判断する行為です。 |
| 履歴書 | 学歴・職歴などの個人情報を記載した書類です。 |
試験での整理(通常の派遣)
派遣先が示せること
- 業務内容に必要なスキル、資格、経験などの職務要件
派遣先が原則としてできないこと
-
年齢、性別など個人属性の指定
-
派遣先による事前面接
-
履歴書など個人情報の事前提出要求
問題の解法手順
各選択肢の整理
| 選択肢 | 内容 | 正誤 | 説明 |
|---|---|---|---|
| ア | 候補者が備えるべきスキルの指定 | ○ | 業務を行うために必要な能力・資格などの要件を示すことは、特定の個人を選ぶ行為そのものではないため、通常の労働者派遣でも認められます。 |
| イ | 候補者の年齢及び性別の指定 | × | 個人の属性による選別につながるため、通常の労働者派遣では原則として認められません。 |
| ウ | 候補者の派遣先による事前面接 | × | 派遣先が候補者を選別する行為に当たり、通常の労働者派遣では原則として認められません。 |
| エ | 候補者の履歴書の派遣先への事前提出 | × | 個人情報に基づく選別につながるため、通常の労働者派遣では原則として認められません。 |
選択肢ごとの解説
- ア:正解
通常の労働者派遣では、派遣先は業務内容に合う人材を依頼するために、業務遂行に必要なスキル・資格・経験などの職務要件を派遣元へ示すことができます。これは候補者の選考ではなく、業務要件の提示であるため適切です。
- イ:不正解
年齢や性別は個人属性であり、業務に必要な職務要件とは言いにくい条件です。差別につながるおそれがあり、派遣先が受入条件として指定するのは不適切とされます。
- ウ:不正解
通常の派遣では雇用主は派遣元であり、派遣先が就業前に面接して候補者を選ぶ行為は、派遣先による選考に当たりやすいため原則として不適切です。派遣先は職務要件を示し、派遣元が人選します。
- エ:不正解
履歴書の事前提出を求めると、派遣先が個人情報を基に候補者を選ぶ運用になりやすく、事前面接と同様に選考につながりやすいです。そのため通常の派遣では不適切とされます。
まとめ
通常の労働者派遣では、派遣先は業務に必要なスキルや資格などの職務要件を派遣元へ示すことは適切です。一方で、年齢や性別の指定、派遣先による事前面接、履歴書の事前提出は、派遣先が候補者を選ぶ行為につながりやすく、原則として不適切です。
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通常の労働者派遣では、派遣先は業務内容に合う人材を依頼するために、業務遂行に必要なスキル・資格・経験などの職務要件を派遣元へ示すことができます。これは候補者の選考ではなく、業務要件の提示であるため適切です。
年齢や性別は個人属性であり、業務に必要な職務要件とは言いにくい条件です。差別につながるおそれがあり、派遣先が受入条件として指定するのは不適切とされます。
通常の派遣では雇用主は派遣元であり、派遣先が就業前に面接して候補者を選ぶ行為は、派遣先による選考に当たりやすいため原則として不適切です。派遣先は職務要件を示し、派遣元が人選します。
履歴書の事前提出を求めると、派遣先が個人情報を基に候補者を選ぶ運用になりやすく、事前面接と同様に選考につながりやすいです。そのため通常の派遣では不適切とされます。