ITパスポート過去問 令和8年度(2026年)問13
個人情報保護法に規定された匿名加工情報の説明として,最も適切なものはどれか。
選択肢
- ア:厚生労働省や総務省統計局などが公開している統計情報を自社内向に加工し,自社の保有する情報とひも付けて新たな価値を持たせた情報
- イ:個人情報から氏名を一定の規則に基づいて匿名化するが,元の個人情報への復元を担保した情報
- ウ:個人情報を法令に定める方法で匿名化し,復元できないようにしたもので,一定のルールの下で本人の同意なく利活用できる情報
- エ:利用者から個人情報を収集する際に,氏名を取得せず個人番号などほかの情報で個人を識別できるようにして収集した情報
- ア
- イ
- ウ
- エ
正解と解き方・学習ポイント(AI解説)
匿名加工情報は、個人情報保護法に定められた基準に従って個人情報を加工し、特定の個人を識別できず、元の個人情報へ復元もできないようにした情報です。所定の手続(匿名加工情報に含まれる項目の公表など)を行えば、本人の同意がなくても第三者提供が可能とされます。
Point
この問題は、匿名加工情報が満たすべき要件(特定の個人を識別できないこと、元の個人情報に復元できないこと、第三者提供時の手続)を、選択肢の文章表現から判定できるかを確認することを目的としています。
解くために必要な知識
この問題を解くには、匿名加工情報の定義、加工の要件、第三者提供時の扱いを理解している必要があります。
用語の整理
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 匿名加工情報 | 個人情報保護法に定める基準に従って個人情報を加工し、特定の個人を識別できず、かつ元の個人情報に復元できないようにした情報です。 |
| 個人情報 | 生存する個人に関する情報で、氏名、生年月日などにより特定の個人を識別できる情報です。ほかの情報と容易に照合でき、それにより特定の個人を識別できるものも含まれます。 |
匿名加工情報の要件
匿名加工情報とされるためには、次の点を満たすことがポイントになります。
特定の個人を識別できない
加工後の情報から、特定の個人が分からない状態である必要があります。
元の個人情報に復元できない
加工後の情報から、元の個人情報へ戻せない状態である必要があります。
法で定める基準に従って加工している
単に社内ルールで匿名化するのではなく、個人情報保護法が求める加工方法・安全管理の考え方に沿っていることが前提です。
第三者提供に関する扱い
匿名加工情報は、本人同意が不要で第三者提供できる場合があります。ただし、無条件ではなく、次のような手続が必要とされます。
-
匿名加工情報に含まれる情報の項目などを公表すること
-
第三者提供する場合は、匿名加工情報である旨などを明示すること
他の選択肢に出てくる用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 統計情報 | 複数人のデータを集計した結果などで、個人を識別できない形にまとめられた情報です。匿名加工情報とは別の概念として扱われます。 |
| 個人番号(マイナンバー) | 行政手続で個人を識別する番号です。個人番号を含む情報の取扱いは個人情報保護法だけでなくマイナンバー法でも制限されます。 |
問題の解法手順
この問題では、各選択肢が匿名加工情報の要件を満たすかを確認します。
確認する要件
要件1:法定基準に従った加工
個人情報保護法に定める方法で加工していることが前提です。
要件2:特定の個人を識別できない
加工後の情報から、特定の個人が分からない状態であることが必要です。
要件3:元の個人情報に復元できない
加工後の情報から、元の個人情報へ戻せないことが必要です。
要件4:第三者提供の扱い
本人同意が不要になる場合がある一方で、法で定められた手続(例:項目の公表など)が必要です。
各選択肢の確認
| 選択肢 | 要件1:法定基準 | 要件2:識別不可 | 要件3:復元不可 | 要件4:第三者提供の扱い | 結論 |
|---|---|---|---|---|---|
| ア | 個人情報の加工ではない | 該当外 | 該当外 | 該当外 | 不適切 |
| イ | 匿名化の記載はある | 記載からは判断しにくい | 復元を担保とあり復元可能 | 該当外 | 不適切 |
| ウ | 法に定める方法で匿名化 | 識別できない前提 | 復元できないと明記 | 一定のルールに沿って提供可能 | 適切 |
| エ | 加工ではなく収集方法の話 | 個人番号等で識別可能 | 該当外 | 該当外 | 不適切 |
選択肢ごとの解説
- ア:不正解
公開されている統計情報を自社内で加工し、自社保有情報とひもづけて分析する説明です。匿名加工情報は、個人情報を法定基準で加工した情報を指すため、この説明は該当しません。
- イ:不正解
「元の個人情報への復元を担保した」とあるため、復元できる前提になっています。匿名加工情報は復元できないことが必要なので不適切です。
- ウ:正解
個人情報保護法に定める方法で匿名化し、復元できないようにしたとあります。さらに、一定のルールに沿って第三者に提供できるという趣旨の説明であり、匿名加工情報の特徴に合致します。
- エ:不正解
氏名を取得しない一方で、個人番号などで個人を識別できるとしています。これは匿名加工ではなく、個人を識別できる情報を収集している説明なので不適切です。
まとめ
匿名加工情報は、個人情報保護法に定められた基準に従って個人情報を加工し、特定の個人を識別できず、元の個人情報へ復元もできないようにした情報です。所定の手続(匿名加工情報に含まれる項目の公表など)を行えば、本人の同意がなくても第三者提供が可能とされます。
公開されている統計情報を自社内で加工し、自社保有情報とひもづけて分析する説明です。匿名加工情報は、個人情報を法定基準で加工した情報を指すため、この説明は該当しません。
「元の個人情報への復元を担保した」とあるため、復元できる前提になっています。匿名加工情報は復元できないことが必要なので不適切です。
個人情報保護法に定める方法で匿名化し、復元できないようにしたとあります。さらに、一定のルールに沿って第三者に提供できるという趣旨の説明であり、匿名加工情報の特徴に合致します。
氏名を取得しない一方で、個人番号などで個人を識別できるとしています。これは匿名加工ではなく、個人を識別できる情報を収集している説明なので不適切です。