ITパスポート過去問 令和8年度(2026年)問40
企業の活動に関する記述のうち,内部統制の活動内容として,最も適切なものはどれか。
選択肢
- ア:決算発表の内容に重大な誤りがあった場合は,速やかに外部に公表する。
- イ:支払伝票を起票した際は,起票者が責任をもって確認し最終承認を行う。
- ウ:定期的にリスクを評価し,洗い出されたリスクの全てを“回避”で対応する。
- エ:内部通報は必ず直属の上司を通じて行うことを,ルールとして徹底する。
- ア
- イ
- ウ
- エ
正解と解き方・学習ポイント(AI解説)
内部統制は、業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全を目的として、社内でルールや手続きを整備し運用することです。決算発表に重大な誤りが見つかった場合に、速やかに外部へ公表することは、財務情報の正確性を保つための対応であり、内部統制の活動として適切です。
Point
この問題は、内部統制の目的と、目的に沿った具体的な活動を判断できるかを確認するものです。特に、財務報告の信頼性を確保するために企業が行うべき統制活動と、職務分掌、リスク対応、内部通報制度の基本的な考え方を区別して理解していることが求められます。
解くために必要な知識
この問題を解くには、内部統制の目的と基本的要素の理解が必要です。
用語の整理
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 内部統制 | 企業が健全に経営を行うために、組織内部で整備、運用する仕組みです。業務の有効性、効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全の4つの目的があります |
| 財務報告の信頼性 | 企業が外部に公表する財務情報が正確であることを確保することです。内部統制の4つの目的の一つです |
| 職務分掌(職務の分離) | 1つの業務を複数の担当者で分担し、相互に確認できるようにする仕組みです。不正やミスを防ぐために行います |
| リスク対応 | 洗い出したリスクに対して、回避、低減、移転、受容から適切な方法を選んで対処することです |
| 内部通報制度 | 組織内の不正行為などを、通常の指揮命令系統とは別の窓口に報告できる制度です。通報者保護の観点から、独立した窓口を設けることが一般的です |
問題の解法手順
各選択肢の整理
| 選択肢 | 内容 | 内部統制として適切か | 理由 |
|---|---|---|---|
| ア | 決算発表の重大な誤りを速やかに外部に公表する | 適切 | 財務報告の信頼性を確保する活動に該当します |
| イ | 支払伝票の起票者が最終承認も行う | 不適切 | 起票と承認を同一人物が行うと、牽制が働かず不正やミスを防ぎにくくなります |
| ウ | 洗い出したリスクの全てを「回避」で対応する | 不適切 | リスク対応は回避だけでなく低減、移転、受容もあり、内容に応じて選択します |
| エ | 内部通報を必ず直属の上司を通じて行う | 不適切 | 上司が関与している場合に通報できず、制度として機能しにくくなります |
選択肢ごとの解説
- ア:正解
内部統制の目的の一つである財務報告の信頼性の確保に関する記述です。決算発表の内容に重大な誤りがあった場合に、速やかに外部へ公表することは、外部へ提供する財務情報の信頼性を保つための活動として適切です。
- イ:不正解
起票者が確認し最終承認まで行うと、起票ミスや不正があっても自分で通せてしまい、相互牽制になりません。内部統制では、起票と承認を分ける職務分掌が基本なので不適切です。
- ウ:不正解
リスクへの対応は、リスクの内容や影響度に応じて回避、低減、移転、受容を選びます。全てのリスクを回避とすると、活動自体が成り立たない可能性があり、適切とはいえません。
- エ:不正解
内部通報制度は、直属上司が関与している不正でも通報できるように、上司を通さない窓口(社内窓口、外部窓口など)を用意するのが一般的です。必ず上司経由にすると通報が妨げられる可能性があり不適切です。
まとめ
内部統制は、業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全を目的として、社内でルールや手続きを整備し運用することです。決算発表に重大な誤りが見つかった場合に、速やかに外部へ公表することは、財務情報の正確性を保つための対応であり、内部統制の活動として適切です。
内部統制の目的の一つである財務報告の信頼性の確保に関する記述です。決算発表の内容に重大な誤りがあった場合に、速やかに外部へ公表することは、外部へ提供する財務情報の信頼性を保つための活動として適切です。
起票者が確認し最終承認まで行うと、起票ミスや不正があっても自分で通せてしまい、相互牽制になりません。内部統制では、起票と承認を分ける職務分掌が基本なので不適切です。
リスクへの対応は、リスクの内容や影響度に応じて回避、低減、移転、受容を選びます。全てのリスクを回避とすると、活動自体が成り立たない可能性があり、適切とはいえません。
内部通報制度は、直属上司が関与している不正でも通報できるように、上司を通さない窓口(社内窓口、外部窓口など)を用意するのが一般的です。必ず上司経由にすると通報が妨げられる可能性があり不適切です。